一部抜粋
HPにも書いてありますが、事業内容の善し悪しを決める最も適切な尺度は、単位資本あたりの利益額です(と定義する)。要は、たとえば、ある事業に参入障壁が大してなく、新規参入を容易に許せば、多数の業者がひしめき合い、業界の収益性(単位資本あたり利益)は低下します。
しかし、障壁が高ければ、そのようなことは起こりません。というか、自分が1000万円の資金を持っているとして、何か事業を始めたいとする。そしたら、投下資本に大して、何%稼げるかだけが大事で、他の指標はどーでもいいって考えに自然になると思うんですが。
売上利益率(売上高営業利益率等)は、有益な尺度には全くなりません。たとえば、あなたが1000万円の資金を持っていて、以下の二つの事業、どちらかを始めたいとする。どっちを起業しますか?
1.資本利益率5%(つまり50万円儲かる)かつ売上利益率20%2.資本利益率10%(つまり100万円儲かる)かつ売上利益率5%
誰だって、資本利益率10%の事業を始めたいとするでしょう。売上利益率なんてのはどーでもいい指標のはずです。
売上利益率が高い会社は、独自製品を売っているので、そういう会社は強みを持っているという意見が出てきそうですが、ドラッグストアや家具のように、薄利多売でも高い資本利益率と参入障壁を維持する事業はあります。結局、ケース
バイケースで一概に言えません。
とにかく、事業の善し悪しを決めるパラメータは、資本利益率で、他の指標は、基本的にどーでもいい。固定資産の比率がどうであろうが、悪徳商法やろうが、投資家の関心事は、自分が投下した資本に対して何%稼いだか(利子がついた
か)で、他に考えるべきことなんてないはずです。
ま、要は、株式投資でやろうとするのは、資本利益率が高い事業を行っていて(しかも、その状態が長続きしそうなで)、今後も、そういう事業に、稼いだ利益を再投資し続ける会社を安い値段で発見しようとすることです。
ただ、資本利益率の高さを支える要因は、場合によっては脆い場合もあります。たとえば、低コストのみに頼って、高い資本利益率を維持している会社の事業はあまりいいものと言えないかもしれません。
たとえば、服を中国で作ることで低コスト優位を実現し、高い資本利益率を上げている会社があったとする。しかし、他社が今度は、たとえば、スリランカで服を作り始めたら、低コスト優位など、すぐに吹き飛んでしまうでしょう。それに対して、たとえば、優位の源泉がスイッチングコスト(http://www.geocities.jp/refight/theory/business8.htm)
なら、その優位は長く続くでしょう。
ならば、他の条件が全て同じなら、優位の源泉がスイッチングコストの会社に投資したほうが賢いでしょう。事業分析とは、そういうふうにやっていくものだと思います。だから、たとえば、服屋よりも病院用具製造業に投資したほうが安全だということです。そういうことを知っていれば、不必要なリスクを回避できる。 |